離婚したい…そう思ったときに考えることベスト3に入るのは、「子どもを育てるお金」ではないでしょうか。特に高校は義務教育ではないけれど進学率が高く、親としても進学させてあげたいですよね。
そこで気になるのが「高校無償化」です。
高校無償化と書かれているのを見ると、まるでほぼお金がかからないように感じてしまいますが、実際のところはどうなのでしょうか。
我が家の例をもとに、ちょっとわかりにくい「高校無償化」のリアルな金額の部分をご説明します。
無償化されるのは『授業料』
ネットニュースの見出しなどを見ていると、「高校無償化」と書かれていたり、「高校授業料無償化」と書かれていたりして、表示が混在していますが、正しくは『高校授業料の実質無償化』です。
高校の授業料は、下記のとおりです。
【かかる費用】
公立高校の場合、入学金は「5,650円」、授業料は「年額118,800円」です。
私立高校の場合、私の子どもたちが併願で受験していた高校だと、入学金は「20万円」授業料は「年額40〜45万円」でした。
それに対して、国からの実質無償化と呼ばれる「高等学校等就学支援金制度」による支援額は下記のとおりです。
【支援額】
公立高校の場合「年額118,800円」で、私立高校の場合「年額39万6千円」です。(所得制限あり)
公立高校の場合は、たしかに無償化となりますが、私立高校の場合は、授業料においても完全にまかなえるわけではない可能性がありますね。ただ、年間約40万円が支援されるのは大きいでしょう。
けれども、高校にかかるお金って授業料だけではないですよね。
公立高校で授業料以外に入学時にかかるお金
さらに、我が子が公立高校に入学した際に、最初にかかった費用がこちらです。
購入品 | 金額 |
---|---|
制服(ブレザー、スカート夏用・冬用、リボン) | 約47,000円 |
ブラウス(長袖・半袖 各3枚) | 約18,000円 |
体操着(ジャージ上下、ハーフパンツ2枚、半袖シャツ2枚、体育館履) | 約27,000円 |
1人1台端末(ASUS Chromebook) | 約60,000円 |
諸費用(PTA会費、教育振興費、生徒会費、学年費(含:教科書等)など) | 約75,000円 |
合計 | 約227,000円 |
上記以外では、通学用のバッグ代、通学用の靴代(ローファーとスニーカー)、通学定期代などがかかりました。また、入学時ではありませんが、夏や冬に着るそれぞれのベスト代、冬に着るカーディガン代もかかりました。
我が家は部活動はやりませんでしたが、部活によってはかなりの費用がかかるものもあります。(我が家は最初、弓道部を考えていたのですが、道具に5万円前後かかるようでした)
そして、2年生のときになりますが、修学旅行積立費として10万円が必要でした。(現地でのお小遣いやお土産代などは別)
公立高校の制服・体操着は、各自治体で○円までって決めてデザインして、制服代も支援してくれたらいいのに…って正直思いました。あとは教科書代も…。
私立高校で授業料以外に入学時にかかるお金
私立高校の場合、私の子どもたちが併願で受験していた高校の例だと、入学時にかかる費用はこちらです。
購入品 | 金額 |
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施設費 | 17〜20万円 |
環境維持費等 | 12〜17.4万円 |
教材費・その他 | 10万円前後 |
制服(ブレザー、スカート夏用・冬用) | 約9万円 |
体操着・体操靴 | 約28,000円 |
通学鞄 | 約2万円 |
合計 | 約52.8〜61.2万円 |
上記以外にPTA会費や通学定期代、通学用の靴代などがかかってくるでしょう。学校によっては寄付金などが必要になる場合もあります。
公立高校と同じく、入部する部活動によっては道具などの費用がかさむ場合もあるでしょう。
授業料の約40万円を支援してもらえるとしても、それ以外で50-60万円前後かかる可能性があるわけですね。
授業料以外の支援は?
自治体によっては、+αの支援をしています。
例えば、神奈川県の公立高校の場合、生活保護受給世帯・住民税所得割非課税世帯を対象に年額3〜14万円ほどの返還不要の少額給付金を支給しています。(神奈川県の公立高校の給付金情報はこちら)
離婚時に専業主婦だったり、扶養内パートだった場合、離婚してすぐは非課税世帯になるので、大きな金額ではないですが助けになる制度ですね。
神奈川県の私立高校の場合、所得に応じて入学金10〜21万円、学費補助金6〜33万円ほどの補助金を支給しています。(神奈川県の私立高校の学費補助金の情報はこちら)
金額や何に使える支援金なのか(授業料のみなのか、施設費などにも使えるのか)などは、自治体によって異なりますので、お住まいの自治体のホームページをご覧ください。
さらに神奈川県の私立高校の場合でも、活保護受給世帯・住民税所得割非課税世帯を対象に年額5〜15万円ほどの返還不要の少額給付金を支給しています。
このように、さまざまな支援制度がありますが「無償化」と言われると、そこまでではないな…と感じてしまいますね…。上記以外にも、スマホ代やお小遣い、昼食代など、子どもの成長に応じて増えていく生活のお金もあります。
制度をうまく活用することを考えつつ、まずは離婚前に将来のお金のシミュレーションをして、今ある資産(貯金など)と必要となってくるお金の目安を立てることが大切ですね。