もう夫婦でいるのが辛い。離婚したい。
けど、子どももいるし、経済的にも不安だし、我慢するべきなんじゃ?
こんな思いで迷っていませんか?
私も離婚を決意する前は、子どもにとって両親が揃っていた方がいいし、我慢できるだけ我慢しなきゃって思ってました。
実際のところはどうだったでしょうか。私の経験をもとにご案内いたします。
我慢しすぎはダメ。でも、衝動的なのもダメだと思ったこと。
私は夫の不倫が最終的に離婚のきっかけになりましたが、夫の不倫やモラハラなどで悩み続けている方って多いなって思います。(離婚相談のお仕事をしていたときにとてもそう感じました)
夫婦円満な人や独身の人に夫にされたこと・言われたことを相談すると、
離婚した方がいいんじゃない?私だったら耐えられないな…
と言われることがけっこうあります。
実は、私も離婚する前はそう思っていましたし、言ったことがあるかも…。だって、けっこうひどいことをされたり言われたりしてるんですよね、悩んでいる方って。
それともう一つよく言われることは、
子どもがいるんだから、我慢した方がいいんじゃない?
ということ。実際、そう思って我慢している人も多いと思います。
正直、『どちらも間違ってない』と思います。夫婦関係が支配的だったり、信頼関係がない状態で続けるのはどうなの?というのもそのとおりだと思いますし、でも、子どもにとって害がない状態なら、子どもは両親揃っていてほしいと思うでしょうし。
だからこそ、悩むんですよね。私も悩み始めてから離婚するまで、5年くらいかかりました。
離婚のときは必死でしたが、私が今となって思うのは、離婚の判断はコレかな…と思います。
- 命の危険
- お金の余裕
- 子どもの健全な成長の妨げ
順番に説明していきます。
命の危険とは
命の危険というのは、まさに言葉の通りで、『あなたとお子さんの心身に危険がある場合』です。
これは『絶対、我慢しちゃダメ!』なパターンです。
よく、「私が夫をイライラさせることをしちゃったから…」と我慢されている方がいますが、どんなことをしても暴力はダメです。このDV(モラハラを含む)と呼ばれる暴力は、手を出すだけではありません。
内閣府で「男女間における暴力に関する調査」という調査がされていますが、その中で「暴力」はこのように表現されています。
身体的暴行
なぐったり、けったり、物を投げつけたり、突き飛ばしたりするなどの身体に対する暴行。心理的攻撃
人格を否定するような暴言、交友関係や行き先、電話・メールなどを細かく監視したり、長期間無視するなどの精神的な嫌 がらせ、あるいは、自分もしくは自分の家族に危 害が加えられるのではないかと恐怖を感じるような脅迫。経済的圧迫
生活費を渡さない、貯金を勝手に使われる、外で働くことを妨害されるなど。性的強要
(出典:「平成29年度調査 男女間における暴力に関する調査 報告書」(内閣府)(http://www.gender.go.jp/policy/no_violence/e-vaw/chousa/pdf/h29danjokan-gaiyo.pdf)をもとに執筆者作成)
嫌がっているのに性的な行為を強要される、見たくないポルノ映像等を見せられる、避妊に協力しないなど。
また、千葉県ホームページの「DVとは?」のページもとてもわかりやすいです。
DV・モラハラに身体的だけじゃなく心理的・経済的などがあるように、命の危険があるというのにも、物理的に暴力で…というだけでなく、精神的に生きるのが辛くなって…ということがあります。
実は私も経験があるんです。
夫の言動に悩んでいて、でも、私にも悪いところがあるんだろうし、向こうも我慢していることもたくさんあるんだろうし、子どももいるし、我慢しなきゃ…と思い詰めていたある日、ベランダ(当時の住居はマンションの8階)で満月を見ていたら、なんか引き寄せられるようにベランダの手すりに乗って、月に手を伸ばしていたんです。
そのとき、次女の泣き声に我に返り、部屋に戻りましたが、精神的に追い詰められていると、本人にその気はないと思っていても、衝動的にわからないときがあります。
あのときの次女が泣いてくれたのは、虫の知らせだったのかな…なんて思いました。私は本当に飛び降りる気など、みじんもなかったですが、精神的に普通じゃなかったんだろうな…と思います。
なので、身体的な暴力はもちろん、精神的に辛いときは、信頼できる親族・友人に相談してみてください。
ただ、なかなか相談できるようなことじゃないかもしれないので、そんな場合は、ぜひ国の支援機関もご活用くださいね。
男女共同参画局ホームページ「配偶者からの暴力被害者支援情報 支援の関係機関」
お金の余裕とは
これも言葉のままですが、『離婚しても生活していける経済的余裕があるかどうか』です。
これは状況によって、もうちょっと我慢もあり…だと思います。
ご自身に収入や貯蓄があって生活していける場合や、実家など住居・生活を手助けしてくれる人がいる場合など、離婚しても経済的にやっていけるなら、離婚を前向きに考えていいと思いますが、そうじゃない場合は、収入を得ることが先かな、と思います。
児童手当や児童扶養手当という公的支援もありますが、それだけで生活ができる金額ではありません。
児童手当は、年齢や子どもの人数によって支給額が変わりますが、義務教育期間の子どもに対して月額1〜1.5万円です。
また、ひとり親向けの手当である児童扶養手当も、全額支給されても月額4.5万円弱で、子どもの人数による追加額も月額1万円強です。これも子どもが高校を卒業するまでの手当です。手当だけでなく、自治体によって医療費の助成や交通機関の補助・水道料金の減免などもありますが、やはり、それがあれば生活していけるというものでもありません。
なので、「もうムリ!」と離婚を勢いで踏ん切ってしまうと、生活が厳しくて後悔してしまう可能性も…。なんとか我慢できている間に準備を進めていくことをおすすめします。
実際の準備としては、まずは『いくらあれば生活ができるのか把握する』ことです。普段から家計簿をつけている場合はわかりやすいかもしれませんが、家計簿をつけていなくても年間の支出がどれくらいかを把握することはできます。
▼こちらのブログを参考にしてください!
現状の支出から、夫がいなくなったとしたらどうなるかを考えて、離婚を想定した○年後に○万円稼げるようになろう!と考えてみましょう。
子どもの健全な成長の妨げ
我慢のしすぎで命の危険にさらされるのもダメだし、かといって、お金の目処が立ってないのに衝動的に思い立ってしまうのは後悔する可能性があるということをお話ししてきました。
それ以外での判断基準となるのは、『夫の言動が子どもの健全な成長を妨げるかどうか』だと思います。
私が最終的に離婚を切り出したタイミングは、夫の不倫がきっかけですが、その前から離婚準備をしておこうと思ったのがこの『夫の言動が子どもの健全な成長を妨げる』と思ったからです。
仕事がうまくいかなくなっていらいらしがちになっていた当時の夫は、機嫌が悪いと「パパ!」と近寄って行った子どもに「こっち来んな!」と言ったり、「パパは誰が一番大事?」と尋ねた子どもに「パパはね、パパが一番大事だよ。ママと子どもは2番目だね」と言ったりしました。(“大事”については、イライラしていない時でもそう言ってましたが…)
また、子どもがいないときですが、「ママは家事をしてくれるからいてくれてありがたいけど、子どもたちはちょっとうざいな」と言ったこともあります。
そして、不機嫌なときは、そのオーラも隠さないので、私も子ども気を遣うようになっていて、「パパは怖いから…」と言ったり、「パパとママは仲良しなんだよね?」と不安げに聞いてきたりもしていました。
よくない傾向だよな…と思っていたときに、元夫と子どもたちだけで車でお出かけする機会がありました。そのときに元夫が運転しながらタバコを吸ったので、長女が「パパ、お願い、車でタバコ吸わないで」と言ったら、元夫が不機嫌になって「じゃあ、(車を)降りろよ!」と言ったらしいんですね。
もうちょっと子どもが大きくなってから働きに出ようと思っていましたが、子どもからこの話を聞いて、すぐにパートを探し始めました。
すぐに離婚できる経済力もなかったし、法律的に慰謝料などをもらえるような離婚事由でもなかったので、私から離婚を言い出してもお金が苦しいな…と思って、夫と子どもの接触時間を極力少なくして、離婚準備を進めようと思いました。
私の友人の言葉で、「うちの両親は不仲だったけど、子どものために離婚しなかったって言われて嫌だったんだよね。あの雰囲気の家に帰るのも嫌だったし、自分のせいにされるのも嫌だった」と聞いたことがあります。
でも、うちの子どもたちは、上記のようなことがあったにも関わらず、離婚時に「もうパパと一緒に住めないの?」と残念がりました。(後々、「そうは言っても、一緒に居続けたらパパに振り回されて辛かったかも。これがよかったとも思う」とも言いましたが)
なので、子どもの心境がどうかは、状況と子どもによってそれぞれだとは思います。
でも、私は親の顔色を窺って生活している当時の子どもたちを思うと、あのとき離婚準備を進めようと思って良かったと思いますし、ちょっと我慢して、衝動的ではなく「準備を進めよう」と思って良かったと思います。
私がちょっと我慢している間にやったこと
私の場合、元夫は『自分が一番』な人で、機嫌によって私や子どもに八つ当たりをしてモラハラ傾向はありましたが、直接的な命の危険はなかったので(さっき書いたように精神的にちょっと危ないときがありましたけど)、経済力をつけるまで我慢しようと思いました。
我慢できるうちは我慢しようと思いましたが、いざ離婚となったときに後悔のないように、そして、また精神的に追い詰められないようにしようと思って、我慢している間にやったことをご紹介します。
それは、
- 経済力をつける
- 夫婦関係の改善を試みる
- 発散する
です。
経済力をつけるには
さっきまでも言い続けてきたことですが、やはり大切なのは『お金』です。
正社員としてお仕事を探せたら経済的に安定しますが、夫や実家などの協力もなく、子どもがまだ手がかかる年齢だとなかなか厳しいのではないかと思います。
私も上記に加えて、ブランクもあったので、正社員ではなく、パートから始めて、在宅ワークをプラスして、徐々に在宅起業に絞っていきました。なので、最初から収入アップを考えたパート探しもしました。
▼私のパートの探し方の記事も参考になると幸いです。
▼また、在宅でできるお仕事についてもいろいろと調べたり、経験したりしてきました。その内容はこちらにまとめていますので、それも参考になると嬉しいです!
また、仕事をすることで、意識が夫以外に向いて気が紛れたり、収入を得ることで自分自身に余裕が持てるようになったりして、もしかしたら、夫婦関係にもいい影響が出るかもしれません。
ただただ「我慢する」じゃなくて、タイミングがきたら離婚も選択できるし、夫婦を続けることも選択できるという状態にしたい…とも思っていたなぁと思います。
夫婦関係の改善を試みるには
そこで、次に意識したのが、夫婦関係の改善を試みることです。
「我慢している」と感じている状態で歩み寄るっていうのは、なかなか難しかったです。でも、夫の機嫌をとるとか、そういうことじゃなくて、とりあえず、ちゃんと会話しようというのを意識しました。
どうせ何を話してもムダだし…。
って思うこともありましたが、ここで歩み寄る努力をしておいたことで、離婚後に「私ができる努力は全部やった!」と後悔しないことにつながったと感じています。
さらに話すときに意識をしたのは、「こうしてほしいんだけど…」といった形じゃなく、「私は、あなたにこうしてもらえると嬉しく感じる」というようなIメッセージ(アイメッセージ)の私を主語にする話し方です。
こうすることで、相手を責めたり、押し付けている印象が薄れる効果を狙いました。そして、その内容も軽いものにして、たとえば
脱いだ靴下を洗濯カゴに入れてくれると嬉しいな。
という感じから。この歩み寄る努力が、後々、「私は精一杯努力した」って思えることにつながりました。
でも、これは元夫の不倫発覚前の話です。さすがに相手が有責の状態で、こちらからばかり歩み寄るのは難しいなって思います。(ただ、不倫発覚後も証拠を集めるために歩み寄る風の演技はしていました)
発散するには
そして、最後は、気持ちを発散することです。
我慢して、歩み寄る努力もして…という日々は、本当に疲れるし、なんで私だけこんな思いしなきゃ…って思っちゃいます。その結果が、上に書いたとおり、精神的に余裕がなくなってベランダで…につながってしまいましたし。
そこで、その後は、親しい友人や身近な人など、信頼できる相手にグチを言ったりして、溜め込まずに発散するようにしました。
私が当時頼ったのは、推し活仲間です。
とあるアーティストのファンつながりで、ネットで知り合い、一緒にライブにも行くようになり、本当に親しくなって十数人のLINEグループができていて、そこで話を聞いてもらっていました。中には同じように離婚経験者もいたので、その方の話も聞いたり。
最終的に離婚を決めるのは自分ですが、いろんな人の体験談やアドバイスを聞くのは、とても参考になりました。
今でも付き合いのある、この仲間たちが、本当に私のことを考えて、意見を押し付けることなく、励ましてくれる人たちだったからだなぁと思います。『誰に』話をするかというのは、とても大切なポイントだと思います。
いろいろ書いてきましたが、我慢の限界が来て離婚するにしても、我慢できるからしないにしても、「私がこうするのが一番いいと思ったから」というのが大切だと思います。
「子どものため」と言ってしまうと、子どもの心に負担をかけてしまうと思うんですね。
自分の選択した状況について、周りで何か言う人もいるかもしれませんが、あなたとお子さんにとっての一番いい状態を選ぶことが大切です。
我慢できる間は我慢しつつ、経済力とともに自信もつけて、自分と子どもにとって良い未来を手にしましょう!応援しています。