子育て中の女性の働き方インタビュー。
今回は、起業という働き方を選択して活躍されているでぃんぷるの関本涼子さんにお話を伺いました。
個人事業主として起業し、ご自身とお子さん二人、さらに同居するお母さまの生活をその収入で成り立たせている涼子さん。
なかなかイメージしづらい企業に属さない働き方について、きっかけから現在に至るキャリアップまで、ざっくばらんに伺いました。
現在のお仕事について
関本涼子さんは、NPO法人ロイヤルセラピスト協会(以下、RTA)の認定講師として、横浜・川崎を中心に全国で活躍されています。
RTAの特徴は、ベビーマッサージを始めとする赤ちゃん~子どもの成長に応じた『親子のコミュニケーション』を基本としていること。
なんと涼子さんは、RTAの以下の資格を全て取得して、仕事にされています。(2017年9月25日現在取得の資格一覧)
- ベビグラファー
- マスターベビグラファー
- マザーフォトミック
- ベビーマッサージ
- ベビースキンケア
- ファーストサイン
- ファーストトーク
- リフレクソロジー
お仕事の割合としては、ベビーフォト撮影・ベビーマッサージ教室などの一般的なお客様向けサービスが三分の一、先生になりたい方向けの資格講座が三分の二。
高校生を含めたお子さん二人とお母さまを養い、少しお休みが取れたらお子さんを連れて海外旅行にも行き・・・という生活からうかがえる経済力は確かなものです。
このように、起業して一家の大黒柱となるような仕事の仕方は、特に女性では一般的に思いつく働き方ではないように感じます。
もともと、ベビーマッサージでの起業を考えていらっしゃったのでしょうか?
ベビーマッサージに出会う前
涼子さんがベビーマッサージに出会うまでは、どのようなお仕事をされていたのでしょう。
独身時代は、冬に山にこもりスノーボードのインストラクターをされていたくらいアクティブな涼子さん。
第一子出産後〜第二子妊娠中も「何かやっていたい」「働きたい」という気持ちは大きく、”在宅ワーク”で探し、あらゆる職種を経験したそうです。
- 文字(データ)入力
- インターネット上の記事のライター
- ミステリーショッパー
- 探偵の電話受付
などなど。
以前から、パソコンにも興味があり、自己流ではあったけれどもタイピングができたので、文字入力などもされていましたが、動くことが好きだったので、外に出る仕事を意識されていたそうです。
「収入としては少なかったけど、自分が何かをやっているという感覚がよかった。」
私も、出産・育児で社会から離れ、孤独を感じることがあったので、大きく頷く言葉でした。
このように”自分で探してきた興味ある仕事をする”というスタイルが好きで、この頃から”一度は起業にチャレンジしてみたい”と思っていたそうです。
ベビーマッサージとの出会い
先ほどの在宅ワークの話だけ伺うと、出産前後も家事・育児・仕事をコントロールしてうまく生活されているように感じました。
また、起業を意識されていたとのことですが、ライター業など充実していたそうなので、それでフリーランスになるのかな?と思うような経歴ですね。
実は二人のお子さんの妊娠時に、体重が増えるどころか減る一方というキツイつわり、それによる入院を経験されています。
さらに、第一子の産後は「寝ずに泣いてばかりの長男との生活は「辛い」の一言だった。」と。
第二子妊娠時も食べてはもどす心身共にキツイ生活の中、
「出産したらあれをしよう、これもしよう。」
と育児雑誌を読みながら乗り切ろうとしていました。
そんな時、通っている産婦人科に掲示されていた「産後のベビーマッサージ」のお知らせ。
これが涼子さんの人生に大きく影響しました。
生後2ヶ月になったばかりの次男君を連れて参加したベビーマッサージ教室。
次男君を裸にしてオイルを使ってマッサージをしたところ、子どもがみるみる、心地よく感じていることが目で見て分かり、そして、涼子さんご自身の心も不思議と穏やかになったそうです。
産婦人科のベビーマッサージ教室は人気のためなかなか次の予約が取れず、すぐに地域のベビーマッサージ教室を検索したところ、RTA認定講師が主催しているベビーマッサージ教室に出会いました。
「ベビーマッサージに出会っていなければ、育児を辛く感じて、子どもに対して声を荒げることもあったと思う。」とおっしゃる涼子さん。
ベビーマッサージを学ぶだけでなく、その良さを発信したい・広めていきたいと、すぐに認定講師の資格も取得されました。
「これで収入を得る!」と鼻息荒く意気込んだ始まりではなく、自然な流れでお仕事につながっていったんですね。
ベビーマッサージの先生になる
涼子さんの現在のお仕事の始まりは、離婚前です。
講師になるための資格講座の費用約20万円は、家計から用意しました。
”女性は家庭を守るべき”という考えの当時の夫に、ベビーマッサージ教室は家事育児と両立でき、一般的なパート代を見込めることを説明し、説得したそうです。
認定講師の資格を取り、近隣の公民館などを借りてベビーマッサージ教室を始めたところ、最初の月に参加した親子は一組。
ここで、パソコンに明るかった涼子さんは、ホームページやブログで情報の発信も開始します。
ホームページやブログが検索に引っかかるようになり、翌月の教室はキャンセル待ちに!
教室を開催し始めて間もなく、当初受講した資格講座の費用も家計に返すことができました。
そして、半年後には、キャンセル待ちのお客様が多くて手が足りないと感じ、認定講師の育成を開始します。
六本木ヒルズで100名近くの参加者さんを迎え、メイン講師として登壇されたこともあります。
お話を伺うまでは、正直なところ、ベビーマッサージ教室よりも講師を育成する講座の方が稼げると見込んだことだろう・・・なんて思ってしまっていました。
ですが、いくら単価が高いサービスを提供したところで、需要がなければ収入にはならないんですよね。
ベビーマッサージを良いと感じ、広めたいと思った
↓
ベビーマッサージが一般的に認識されてきた
↓
教える先生が足りない
↓
先生を育てよう
まさに、
『求められているサービスを提供したら、結果として収入がついてきた』
涼子さんのこの言葉のとおりだと思います。
仕事を持っていたことで離婚への不安が減少
ベビーマッサージから始まり、徐々にRTAが提供する認定資格も増えていきました。
その都度、涼子さんも資格を取得されていますが、もう全てご自身の収入から資格取得費用を支払っています。
長男君が小学校、次男君が保育園に行っている間に集中して仕事をしていたら、いつしか会社員である夫の収入とどちらが?!というほどにもなりました。
そんな頃に離婚となりましたが、
「離婚時に経済面に対する不安がなかったことは大きかった。」
とおっしゃいます。
そして、「元夫がいると収入は多くなるけれど、支出も大きかった。」とも。
さらに、元夫は、”女性は家庭を守るもの”タイプだったため、それに合わせた仕事のスケジュールの組み方をしていましたが、離婚によりその制限もなくなりました。
RTAのハワイでの海外研修にお子さん二人を連れて、費用3人分をご自身で出して親子でハワイに行ったのは、ホノルルマラソンにも出場したという12月の平日。
結婚している時であれば、元夫も興味あるハワイ(でも平日だから行けない)に、母子のみで行ってくるなんて言えなかった、とも。
離婚はしなくて済むならしない方がいいですが、すると決めたなら離婚後の生活をより良いと思えるものにしたいものです。
涼子さんのように”後悔のない離婚”と思えることは大切ですね。
サービスは増えても基本の思いは一つ
ベビーマッサージ、ベビースキンケア、ファーストサイン・・・と、イメージしやすい中に”ベビグラファー”という見慣れない資格があります。
最近は雑誌やテレビなどでも耳にすることがあるので、ご存知の方もいらっしゃるかもしれません。
私は最初に伺った時に、ベビー関係の資格でカメラ?と不思議に感じましたが、
『親子のコミュニケーションのプロだからこそ、撮れる写真がある』
という言葉、そして実際の写真に納得しました。
RTAの中でも、ベビグラファーに関しては、先に(もしくは同時に)ベビーマッサージの資格を取得していることが前提となっていると聞き、さらに納得。
実際の写真も拝見し、これは求められるだろう!と強く感じました。
スタジオ撮影も可能とのことですが、お客様の好きな場所に出張が可能なため、赤ちゃんがリラックスした環境で撮影ができるんですね。
赤ちゃんの写真といえば、衣装のたくさんあるフォトスタジオもありますが、うまく住み分けされています。
このように、すでに表面化している既存サービスではなく、潜在的に求められているサービスを掘り起こすことができるのも、親子のコミュニケーションの現場でアンテナを張られているからなんだろうなぁと思いました。
「RTAの中で、あんな資格やこんな資格は増えていかないんですか?」
と、安易に思いついた資格を尋ねましたが、やっぱり『親子のコミュニケーション』が基本となることにブレることはない回答。
芯の通った団体に所属されているんだな、さすが、そこでサービス開発をされていらっしゃる方だなと感じました。
最後に、涼子さんの仕事に対する思いについてお聞きしました。
- ”やりたい”を実現した仕事で毎日楽しい。
- お客様に「ありがとう」と喜んでもらえて嬉しい。
- 講師の育成により、思いを共有できる仲間がいる。
- 自分も幸せを感じているおかげで、育児もうまくいっている。
と、充実した思いをお話くださいました。
そして、これからについても。
その時その時の自分の気持ちを大切に生きてきた。
だから、これからも何かやりたいと思うことができたら、それをやる。
でも、今まさに日々”やりたい”を実現できているから、数年後もこの仕事をやっているんじゃないかな。
そう笑顔でおっしゃった涼子さんは、キラキラ輝いて見えました。
インタビュアーより
関本涼子さんの働き方インタビューはいかがでしたでしょうか?
個人事業主として起業することは誰でもできますが、それを主な収入として続けていくのはなかなか難しいです。
涼子さんは、このお仕事一本で生活を成り立たせ、今年(2017年)丸11年を迎えられました。
ずっと自然体でやってこられたように感じられますが、個人事業主としてやっていくにあたって、工夫したり意識されていらっしゃることがあります。
このように起業マインドを持っているけれども、起業という働き方を知らなかった方に、涼子さんのような働き方もあることをお伝えできたら嬉しいです。
また、涼子さんのように離婚時に収入があるということは、とても大きなポイントです。
離婚を意識したら、離婚前に仕事を始めたり、興味のあることを学ぶことも、ぜひ考えてくださいね。
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